5億円の資金調達を果たしたココン株式会社の事業とは。
こんにちは。東京滞在も残り僅かとなりました。
今日は、hiveshibuyaで行われる以下のイベントに参加します。
TwitterのTLを見ていると、ココン株式会社が5億円の資金調達に成功したという記事
を幾つか目にしたので、ココン株式会社の戦略について調べてみようと思います。
株式会社ココン
ココン株式会社
設立 2013年2月22日
資本金 7億7,594万円(資本剰余金含む)
事業内容
・サイバーセキュリティ事業
・特化型クラウドソーシング事業
・人材紹介事業
・グループ会社の経営管理
従業員数
(単体)13名(連結)100名
主要株主
経営陣、株式会社オプトホールディング、
EastVentures、 SIG Asia Investments 他
代表取締役社長プロフィール
氏名 倉富佑也
高校に入学する前から起業志望。高校時代はアプリ開発の会社でインターン。中国でベーグルの販売店経営を始めるが、3ヶ月で閉店。次に、ケーキのデリバリーサービスや建築用CGを日本で受注し上海で制作をするアウトソーシングのサービスなどを行う。2013年にソーシャルゲームのグラフィックスを、クラウドソーシングで制作する事業を行う。Panda Graphics株式会社(現ココン株式会社)を設立。
1992年生まれ
2013年当社設立代表取締役に就任
ココンの事業
ココンは、「特化型クラウドソーシング事業」と「サイバーセキュリティ事業」を中心に展開している。
特化型クラウドソーシングの分野においては、イラストクラウドソーシングの「Panda Graphics」と、声優ボイスクラウドソーシングの「Voip!」を展開している。
〜高品質かつ利用者のための柔軟性の仕組み〜
「Panda Graphics」においては、選考の3%を通過した優秀なアートディレクターによる徹底した品質管理と、お客様の要望を簡単かつ細部まで反映できる貴社独自の進歩管理システムの運営を行っている。
これまでの制作実績⇩
http://panda-graphics.net/works/
ゲームをあまりプレイしない自分でも耳にした事があるゲームも多数ある。それだけのクオリティを担保できているからこその実績であると考える。グループ会社にUX設計・UIデザインや3D技術を持つ会社を取り込んでいる事も、高いクオリティを維持できる要因の1つだと考える。
加えて、クラウドソーシングが完了するまでの流れを明確に提示したり、無料見積もりサービスを行うなどして、低コストでサービスに関われる機会を提供している。
HPに掲載してある制作の流れ⇩
〜なぜ日本最大級の声優ネットワークを構築できたのか〜
「Voip!」においては、日本最大級約12,000人以上の声優ネットワークを応用し、オンラインのみで完了するサービスを行っている。
声優ネットワーク拡大のために、声優にとって関わりやすいサービスである必要がある。そのために、3つの工夫を行っている。
①声優の都合に合ったオーディションにだけ参加可能。
各案件の条件や報酬額、スケジュールなどの内容を見て、自分に都合の合うオーディションにだけ参加可能にする事によって、応募の自由度を高める。
②経験がなくても気軽に挑戦できる。
専門チームによる音声編集により、整音知識等の必要性を無くし、収録した音声をそのまま応募できる環境を構築し、応募のハードルを低くする。
③オンラインで完結できる。
すべてオンラインで完了できるため、地方在住の方や他に本業がある方でも登録参加可能。登録は無料であり、空いた時間で効率的に参加でき、応募に低コストで参加できる。
声優にとって、応募機会の自由度、応募のハードルの低さ、応募の低コスト性ももちろん魅力的だが、加えて、有名サービスに自分の声が使われるかもしれないという期待感もこの声優ネットワークを構築した1つの要因であると考える。
音声発注側は、低コストかつ高いクオリティのプロダクトを提供すために3つの工夫をしている。
①初期費用完全無料。
本番セリフで無料オーディションを行い、イメージに合った音声がなければ費用はかからない成果報酬型のサービスにより、音声発注側のリスクを減らす。
②オンライン手続きによるコスト削減。
発注から納品まで全てオンラインで対応を行っているため、短期間でかつ費用を抑えて音声データの制作が可能。また、声優と弊社にて一括して契約を行っている為、手間や大幅なコスト削減が実現できる。
③高品質音声を納品。
音声データは「音量統一」「ノイズ除去」「エフェクト処理」「モバイル用などデバイス最適化」「ファイル形式変換」「映像への組込」などの編集を貴社のサウンドエンジニアを中心とした専門チームで行い、高品質な音声データをお届けして、高いクオリティのプロダクトを担保。
音声発注側にとっては、このサービスは選択しやすい1つの選択肢として登場した。選択して、適当な声優が見つからなかったとしても、時間的コストを消費はしたが、金銭的なコストはゼロだ。このネットワークの中で、1つの応募機会に平均的にどれほどの声優が応募するのかは気になるところだ。
〜クラウドソーシングの勝負所〜
クラウドソーシングでの勝負所は、ネットワークの外部性をいかに作れるかという事とマッチングをスムーズに行えるかという部分である。ココンはネットワークの外部性を作るために徹底的に低コストでサービスに関わる機会を与えている。そして、マッチングの面では、それをスムーズに行えるようなシステムを構築している。
サイバーセキュリティ事業においては、2つの会社をメインとして運営している。WebやIoTのセキュリティ診断やモバイルのチート対策を行う株式会社イエラエセキュリティ。セキュリティ等の情報技術における研究開発支援、コンサルテーションを行う
株式会社レピダム。
〜プロダクトのセキュリティを包括的に守るサービスとは〜
株式会社イエラエセキュリティにおいては、以下のような8つのサービスを運営しています。
①Webアプリケーション診断
Webアプリケーションに潜在するSQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどの脆弱性診断。
②スマートフォンアプリ診断
スマートフォンアプリの脆弱性を認識することでインシデントにも早急に対応できる。
③ソーシャルゲームチート対策診断
端末内のデータやパラメータの改ざんを試みて、ゲームチートが可能となる問題点がないかを診断。
④ネットワーク診断
実際のハッカーと同じ視点でブラックボックス方式のテストを実施し、ネットワーク上の問題点を診断。
⑤IoTセキュリティ対策
日々の生活に多大な利便性をもたらすIoT機器の問題点やリスクを認識することで事業リスクを軽減。
⑥耐タンパー性診断
ソースコードのプロテクトを強化して、事業収益を揺るがすコピーアプリの登場を最大限抑制。
⑦セキュリティトレーニング
セキュリティ対策を組織的に行うための啓蒙活動から社内セキュリティエンジニア育成まで担当が可能。
⑧セキュリティコンサルティング
開発プロジェクトにおけるセキュリティ対策の体制整備などのご相談。
スマートフォンアプリ、Web、IoT、ネットワークなどITによるプロダクトのセキュリティを包括的にサポートできるコンテンツになっているます。これまでスマートフォンアプリケーションを220件、ウェブアプリケーションを1072件診断している。HPにある診断事例を見ると比較的大手からの依頼ばかりが目に入る。
〜様々なアプローチからの研究〜
株式会社レピダムにおいては、5つの分野におけるサービスを実施している。
①研究開発支援
②コンサルテーション
③ソフトウェアデベロップメント
④システムインテグレーション
⑤ネットワークインテグレーション
一言に研究と言っても、様々なアプローチから行っており、以上のようなサービスが生まれた。この会社がグループ化している事で、イエラエセキュリティも最先端の技術でサポートができていると考えられる。
サイバーセキュリティのサービスにおいては、専門用語が当たり前のように飛び交っている。今後のより深い学びが必要だ。