田舎モンがベンチャーで働く。

都内ベンチャー勤務予定の広島の学生が学んだ事を書きます。

スタートアップにおける3つのビジネスモデル

株式会社gumi代表取締役の國光さんの講演をお伺いしました。

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今日はどうやって、スタートアップを作るかについて話します。まず、スタートアップと中小零細企業とは、急成長が求められるという意味で決定的に違います。これに合わせて戦略も変わってきます。スタートアップでビジネスをスケールする上で重要な事は、ビジネスの作り方です。

 

〜よくあるスタートアップの失敗事例〜

 

よくある根本のミスは、身近なニーズを解決しようとする事ですね。これらのビジネスは上手くいかないものが多いです。例えば、大学で時間割よく分かんないから、それに向けたサービスを作ろうという事例があります。そんなの誰が見ますか。人に聞けば簡単に済んでしまいます。

 

他にも、流行りに安易に乗ってしまうタイプがあります。キュレーションが流行っているから、旅行をテーマにやろうとか。メルカリが流行っているから、本に限定してやってみようとか。それらのサービスは十分他でカバーできます。

 

学生を対象にサービスをやる事がありますが、これは成り立ちにくいです。顧客の可処分所得がどれだけあるかを念頭におくべきで、一番金のない世代の問題を一番金のない世代が解決しても、どう金になるのかよく分かりません。

 

唯一あるとしたら、起業家自身が富裕層のケースですね。世代の違う高齢者などにアプローチすれば、上手くいくかもしれませんが、当事者ではないのでニーズの把握が難しいです。ニーズ解決のビジネスにおいては、お金を払う人の問題を解決しなければならないというポイントがあります。

 

〜スタートアップにおける3つのビジネスモデル〜

 

じゃあ、どうやったら急成長するビジネスを作れるか。これには3つのタイプがあります。

 

1つ目は、研究開発型です。

これは一番シンプルです。大学で研究を進めた内容をビジネスに転換して、研究の延長線上で起業する。バイオ系の研究を進めて、起業したりとかですね。

 

2つ目は、既存ビジネスのディスラプト型です。

タクシーの料金高いし、利用しづらいと考えれば、Uberが生まれるし、ホテル泊まる場所ないと考えればAirbnbが生まれます。

 

このタイプのスタートアップ需要が高まる時は、プラットフォームが移行する時です。この10年間は、PCで流行っていたものをスマホに換装しました。なので比較的、ビジネスを作りやすかったはずです。

 

例えばヤフーで流行ったものを取り上げると、ヤフーメールは LINEへ、ヤフーオークションはメルカリへ、ニュースはグノシーやスマニューへ、写真はインスタグラムへディスラプトされました。既にあるものを新しいテクノロジーでディスラプトする。

 

3つ目は、2つ目と被る部分もありますが、5年後、10年後、社会がどう変わるかを想像して、ビジネスを作るタイプです。社会がどう変わっていくか、それによりどんなサービスが生まれるかを軸にします。

 

ビジネスにおいて、短期的に1年後の未来はよく分かりません。しかし、5年後10年後の未来はシンプルです。例えばネットで物を調べたり買い物したり、コミュニケーションをとる人が増えるか減るか。これは言うまでもありません。加えて、VR/ARは100%来る未来です。ヴァーチャルでショッピングやアクティビティが行われていく人も増えていきます。

 

多くの人が、この中にもディスラプトの可能性がある事を知ってて、あんな大きなヘッドは邪魔だろとか、コードもいらないとか、そこからでもビジネスモデルは生まれます。短期的に見ると、いきなりメガネやコンタクト型は簡単ではないですが、携帯が小さくなったように、全てのものが小さくなりました。同じように、ヘッドセットも実現できます。

 

未来を予測する上で、同じ分野の過去の事例を徹底的に調査する事は重要です。例えば、スマートフォンができてそこでゲームができるようになった時に、多くの人が家庭用ゲームを移植しようとしましたが、全く流行りませんでした。それは、家庭用ゲームがスマートフォン用に作り変えられてないから、操作しにくかったからです。そこで生まれたのが、ティッシュをゴミ箱に入れるゲームだったり、数字を連打するようなシンプルな操作のゲームでした。そこで、アイフォンアプリバブルが生まれました。脱サラしてアプリを作って、夢を叶えようみたいな感じですね。この流れをゴールドラッシュとするなら、それを支えるスコップやつるはしのようなデータ解析などのサービスも生まれていく。

 

ゲームだけでなく、動画も同じくです。テレビ用に作ったコンテンツをスマホに移植しても、テレビの劣化版にしか過ぎない。そこで多くの素人が、スマホならではのコンテンツを作ろうとして、ネットをうまく使って億を稼ぐような人も出てきた。そこで生まれたのが、脱サラしてユーチューバーになろうとしてみたりミックスチャネルが生まれてたり、それを支えるUUUMが出てきたりしました。結局は、スマホならではのコンテンツを高いレベルで作る人が残りました。

 

スマートフォン移行のポイント
①タッチパネルの気持ちの良い操作
②1日5回のアクセル3〜5分
③ソーシャルを応用する

 

こうやって、ガラケからスマホにというようなプラットホームの移行の中に、大きなチャンスがあり、そこでの最適化には高い需要があります。

 

これからは、10年以内にはVRへの移行が考えられます。既存のサービスがディスラプトされるチャンスです。今、家庭用ゲームをVRに移植しています。これは大して流行りません。この後、VRならではのコンテンツを高いレベル作れる人が勝ち残ります。

 

日本は、医療やタクシーなど、多くの業界で遅れをとっているからこそ、そこに入り込むチャンスもあります。

 

〜大手とどうやって戦うか〜

これは1つしかありません。大手よりも先行している間に、大手が参入しても勝ち行けるネットワークの外部性を構築する事です。インスタグラムが勝ち残ったのは、インスタ上にソーシャルネットワークが構築されていたからです。おしゃれな写真が溢れる事により、自らの輝いている瞬間を共有する場所として、唯一のコミュニティとなりました。他にも価格や規制などがありますが、これらはスタートアップにおいて簡単ではありません。

 

〜今回の講演を終えて〜

今回、このイベントに参加させて頂いて、これからのスタートアップ創造における大きな潮流を学べました。ターゲットからビジネスを生み出すのではなく、今後、人々の暮らしや求めるものがどのように変化していくのかを見極め、それに合わせたサービスを提供したり、既存のサービスをディスラプトする。そして、プラットフォームの移行期間は、ディスラプトの絶好の機会であり、今後10年で、VRへの移行が考えられる。そして、スタートアップが大手と競合するには、いち早くネットワークの外部性を構築すべきだという事など多くの事を勉強させていただきました。國光さん、ありがとうございました。